たたむ収納・たたむ文化

日本は狭い国土にたくさんの人が住み、狭いところで暮らすための知恵には長けています。その一つに収納方法があります。

例えば布団がその代表です。就寝の場が折りたたんでしまえるなんて、西欧では考えられません。居室には、西欧ではベッドとテーブルが必ずあります。日本では布団を仕舞えば、空間が広々使えるのです。

着物はどうでしょうか。どんな季節のどんな人の着るものも、真っ平らにコンパクトにたためて、同じ基準でしまえるのです。

他にたたんでしまえる道具には、風呂敷、蚊帳、提灯などもあります。使わないときにたたんで薄くなる照明器具など、他にはありません。
狭い国には狭い国なりの智慧と工夫が生きていることに、もっと誇りを持ちましょう。

昭和20年代の映画などに出てくる庶民の暮らしをみると、大変シンプルで質素です。部屋にはちゃぶ台、茶箪笥、座布団など、最低限の物しかありません。ちゃぶ台はたためるものもあり、座布団はソファと違って重ねてしまえます。戦後の貧しい時代だからというだけでなく、部屋に余分なものを置かないという平安時代からの文化の美意識が、まだ生きていた時代だったのかもしれません。

襖で仕切られている日本の座敷は、ふすまを開け放したらワンルームで、茶の間にも寝室にも宴会の場にもなります。一つの空間を多重に利用する住まい方は、大変合理的です。

ベッド、ソファ、テーブルなどの置き家具があり、クローゼットがあり、洋服を吊るしてしまっている生活様式になったのは、最近になってからです。物があふれ、収納に苦労する前に、昔からの伝統の暮らしを見直し、良いところを取り入れる事が、本当の文化的な暮らしと言えるのではないでしょうか。

This entry was posted on 月曜日, 11月 20th, 2017 at 2:27 PM and is filed under 家づくり. You can follow any responses to this entry through the RSS 2.0 feed. Both comments and pings are currently closed.

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